寮歌集
寮歌集CD 「城南健児の雄叫び」
- 徳島県立城南高等学校には、伝統的なファイアーストームという行事がある。昭和40年頃、そこで好んで歌われていたのは、なんと旧制高等学校の寮歌が中心となっていたのである。
初めて、「ファイアーストームの練習」に参加した1年生は、当世はやらないバンカラ気風に圧倒されてしまう。ヤクザまがいの出で立ちの先輩が太鼓を叩きながら「嗚呼玉杯に.....」とやるわけであるから.......。
- かくして、城南高校を卒業した我々は青春の思い出として、寮歌を今もなお歌っているのである。
ここに紹介するCDは、そんな我々が母校を卒業して40周年を迎えた記念として録音したものである。
若々しさや、バカバカしさを売りものとしているわけではない。
ひたすら純粋に寮歌が歌いたい一心で、人目を偲んで練習に開け暮れ、ついに出版に至ったという、波ぐましい努力の成果なのである。
CD城南健児の雄叫びは、CD屋さんではお求めになれません。
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CD製作メモ
- 構成、編集:川竹道夫
- 録音、太鼓:原田義生
- 吟 唱 :小柴 康
- 録 音 日:2007年6月25日
- 録音 場所:歌の国(原田邸)
城南高校昭和41年卒業生有志による寮歌合唱団
生田健一、大久保健治、加藤真志、川竹道夫、北島 久、木田史子、高須賀勝、
田中幸穂、綱野順一、仁木由子、野村克己、林 法生、原田義生、村澤雅雄、
村田 豊、森 英雄、大和正幸、湯浅芳明、吉崎住夫、吉本治代、渡辺妙子
CD収録曲目解説
- 城南高校校歌
城南高校製作のCD(井上千恵子先生指揮、城南高校吹奏楽団演奏)を拝借。
CD上とはいえ40年の時を超えて、後輩たちの演奏に乗って、気持ちよく歌うことが出来た。こんなに元気よく校歌を歌えるのも、母校に対する誇りがあればこそである。 - 城南男前節
元歌不明。昭和30年の第5回目のファイアーストームの年に作られた。冒頭の「流星落ちて…」に始まる吟唱が導入されたのも同時期であることから、「流星落ちて…」に続いて、城南男前節から歌い始めるのもこの頃からの伝統であろう。この旋律は、おそらく何かの俗謡からとられたものと思われる。 - 城南健児の雄叫び
元歌は第5高等学校(現熊本大学)の「武夫原頭に」。 歌詞の一部が城南高校用に改変せられてはいるが、多くの部分で原詩の美しさを受けついでおり、その勇壮なメロディーは人気があった。 - 学生愛歌
リパブリック賛歌の替え歌は、数多くあるが、この歌は「学科嫌い」というタイトルで旧制高等学校でもかなり広まっていたという。ここに収録されている歌は、昭和39年当時歌われていたものであり、作詞者などは不明であるが、ユーモアたっぷりの歌詞が人気を呼んでいた。 - 嗚呼玉杯に花受けて
明治35年に作曲されたこの歌は、第一高等学校(現東京大学)12回紀念祭の歌であり、寮歌の中でも最もよく知られている曲である。 - 紅萌ゆる
第三高等学校(現京都大学)の逍遥の歌とされる。逍遥の歌とは、散歩などのときに口ずさみながら歩くような歌であるので、ゆったりと歌うと趣のあるに歌になるのであろう。女声の加わった寮歌は珍しいのでは? - 北辰斜め
第七高等学校造仕官(現鹿児島大学)の寮歌。北辰とは北極星のことである。
巻頭言の「流星落ちて」に始まるこの歌は、その巻頭言のかっこよさから、全国の寮歌ファンから圧倒的な支持を得ている。我が城南高校もその巻頭言を拝借している。
高校一年生の時、太鼓とこの巻頭言の迫力に、大人の世界を見たような気がした。 - 都ぞ弥生
北海道帝国大学(現北海道大学)、たいていの寮歌が七五調の韻を踏んでいるのに対しこの歌は、八七調に乗った自然を歌った長調の明るい歌は、数ある寮歌の中でも異彩を放っており、力強い男声の無伴奏で歌われると大変すがすがしい気分になる。 - 人を恋ふる歌
与謝野鉄幹作詞。現代の世情では受け入れられ難い歌詞ではあろうが、時代を超えて歌いたい歌でもある。 一部世に出回っているメロディーと異なった部分があるが、学生時代になじんでいるメロディーに従って録音した。
ライナーノーツ 「昏て、なお眩し」
城南・旧徳中同窓会会長 木村清志
痛快である。我が城南高校同窓会には、数ある記念誌や出版物はあるが、卒業40周年の記念にCDの録音製作するものがいるとは。歌っているのは歌手でもなければ、合唱団員でもない、昭和41年に城南高校を卒業された、団塊の世代と呼ばれている先輩たちである。今では、耳にすることもなくなった旧制高校の寮歌が、このような形で歌われた例が他にあるだろうか?
城南高校では、城南祭の最後の夜、大きな篝火を囲み、青春のエネルギーを一夜の宴に饗するファイアーストームが昭和26年に始まり、現在も伝えられている。歌われる歌は、伝統的に旧制高等学校の寮歌が中心である。ポップなサウンドがもてはやされる現在、寮歌と呼ばれるこれらの歌は、忘れ去られ、我々の耳に入ることは極めて少なくなってきている。しかし、青春の一時代に歌ったこれらの歌は、40年の歳月を経た今も我々の心から消えることはない。
ここに収録された曲の内、5曲は旧制高等学校の寮歌である。奇しくも昭和22年、旧制高等学校が廃止された年に生まれた先輩たちの、向学心に燃えた心を、寮歌の持つ魅力が捉えた、これも何かの縁だろう。
耳を傾ければ、城南生時代の燃え滾るエネルギーが一瞬にして甦り、思わず一緒に歌いたくなる。私から見れば7年上に当たる団塊の世代の先輩たち、還暦を前に人生の黄昏の時期を迎えられているわけであるが、黄昏て、なお眩しく輝いている先輩たちにエールを送りたい!